座長:弓野 大先生(ゆみのハートクリニック)/勝谷 友宏先生(勝谷医院)
【座長のことば】
少子高齢化に伴う独居高齢者の増加、疾患の複雑化・慢性化など疾病構造の大きな変化が問題となっている。一方で、病床の減少、入院期間の短縮なども求められていることから、その人らしい暮らしを最期まで続けられるような地域包括ケアシステムの構築が急ピッチで進んできている。このような地域包括ケアにおいて、“心臓病=命に直結”という強いイメージから苦手意識が浸透しており、循環器医療を地域から支える循環器専門クリニックの担う役割は非常に大きい。特に、高齢者心不全管理においては、「高齢者心不全患者の治療に関するステートメント」にもあるように、基幹病院よりはむしろ、かかりつけ実地医家等が地域で形成する診療体制こそがその診療において主体的な役割を果たす。そして、在宅・終末期医療や緩和医療の実践においても主体となるべきである。本セッションにおいては、JAPAN CARDIOLOGY CLINIC SESSIONと題して、循環器医療を地域から支える全国の循環器専門クリニックの様々な取り組みをご紹介頂き、循環器領域における地域包括ケアの充実とともに、時代に合った臨床心臓病学の発展につながることが期待される。