2024年度:顕彰受賞者のお知らせ
2024年9月28日(土)に、第72回日本心臓病学会学術集会(仙台国際センター)にて表彰式を執り行いました。受賞された先生方の今後ますますのご活躍を願っております。
栄誉賞
筒井 裕之
(国際医療福祉大学 副学長・副大学院長・医学部 教授)
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日本心臓病学会より栄誉賞を賜りましたことは、大変光栄なことで厚く御礼申し上げます。学会への特段の貢献もないにも関わらず、このような栄誉ある賞をいただくことは、身に余ることで恐縮至極に存じます。
私は、現在まで一貫して心不全を中心とした循環器疾患の病態解明と効果的・効率的な治療法の開発を目指した基礎・臨床・疫学・開発研究に取り組んで参りました。特に、わが国初の本格的な心不全患者を対象とした多施設登録観察研究に取り組み、心不全疫学研究の基盤を確立することができました。また、国内外において心不全治療薬の臨床試験に取り組み、臨床現場への導入に携わることができました。学会では、心不全や心筋症の診療ガイドラインの作成、心不全療養指導士制度の創設に関わらせていただき、わが国の心不全診療の質の向上に貢献できたと思います。
このような日常の活動を評価いただき栄誉賞を賜りましたことは望外の喜びです。これらはひとえにご指導いただいた先輩、一緒に取り組んでくれた九州大学、北海道大学、国際医療福祉大学の同僚・後輩のおかげであり、心より感謝申し上げます。今後とも心臓病学の発展のため、微力ながら力を尽くして参ります。
私は、現在まで一貫して心不全を中心とした循環器疾患の病態解明と効果的・効率的な治療法の開発を目指した基礎・臨床・疫学・開発研究に取り組んで参りました。特に、わが国初の本格的な心不全患者を対象とした多施設登録観察研究に取り組み、心不全疫学研究の基盤を確立することができました。また、国内外において心不全治療薬の臨床試験に取り組み、臨床現場への導入に携わることができました。学会では、心不全や心筋症の診療ガイドラインの作成、心不全療養指導士制度の創設に関わらせていただき、わが国の心不全診療の質の向上に貢献できたと思います。
このような日常の活動を評価いただき栄誉賞を賜りましたことは望外の喜びです。これらはひとえにご指導いただいた先輩、一緒に取り組んでくれた九州大学、北海道大学、国際医療福祉大学の同僚・後輩のおかげであり、心より感謝申し上げます。今後とも心臓病学の発展のため、微力ながら力を尽くして参ります。
教育貢献賞
瀧原 圭子
(大阪大学 名誉教授)
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この度は日本心臓病学会教育貢献賞を受賞させていただきましたこと、関係の皆様に心より感謝申し上げます。このような賞をいただく栄誉にあずかり、大変嬉しく光栄に存じます。
教育貢献賞は2015年から16名の先生が受賞されていますが、これまですべて男性の先生方でした。今回、初めて女性医師が受賞させていただくこととなり、循環器診療に携わる多くの女性医師にとりまして大きな励みになるのではと思っております。かつて女性循環器医師がそれぞれの職場において、さまざまな困難の中で一人で頑張っている状況を見て、10年以上前から環境改善、キャリアアップ支援、そして女性医師ネットワーク構築に尽力してきたことを、今回の受賞ではご評価いただいたものと理解しております。
今では日本心臓病学会におきましても複数の女性理事・社員が学会運営に参画していらっしゃいますが、若い女性会員にとりまして魅力ある学会組織であり続けるためにも、執行部への女性会員のさらなる参画が必要ではと思っております。今回の受賞を機に、今後も引き続き女性医師の活動を支援して参りたいと思います。この度は誠にありがとうございました。
教育貢献賞は2015年から16名の先生が受賞されていますが、これまですべて男性の先生方でした。今回、初めて女性医師が受賞させていただくこととなり、循環器診療に携わる多くの女性医師にとりまして大きな励みになるのではと思っております。かつて女性循環器医師がそれぞれの職場において、さまざまな困難の中で一人で頑張っている状況を見て、10年以上前から環境改善、キャリアアップ支援、そして女性医師ネットワーク構築に尽力してきたことを、今回の受賞ではご評価いただいたものと理解しております。
今では日本心臓病学会におきましても複数の女性理事・社員が学会運営に参画していらっしゃいますが、若い女性会員にとりまして魅力ある学会組織であり続けるためにも、執行部への女性会員のさらなる参画が必要ではと思っております。今回の受賞を機に、今後も引き続き女性医師の活動を支援して参りたいと思います。この度は誠にありがとうございました。
上田賞
Prognostic value of follow-up vasoreactivity test in pulmonary arterial hypertension [J Cardiol 2023;82(1):69-75]
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この度は名誉ある賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。選考委員の先生方、貴重なご意見を頂いた査読者の皆様に感謝申し上げます。
本研究では、複数回の急性肺血管反応性試験を受けた肺動脈性肺高血圧症患者様において、吸入一酸化窒素(NO)への血管反応性が経時的にどのように変化するか、そして反応性の相違が予後と関連するか、の観点から検討を行いました。結果、対象集団においてNOによる血行動態改善の程度は経時的に小さくなる一方、反応性には個人差が存在することを見出しました。そして、遠隔期の反応性の程度が長期予後と関連することを報告させて頂きました。急性肺血管反応性試験はCa拮抗薬反応性の予測手段として確立されていますが、本研究が治療経過中の血管反応性再評価の意義を検討する一助となりましら幸いです。
本論文を含め日々御指導頂いております波多野将先生、牧尚孝先生、皆月隼先生、武田憲文先生、武田憲彦先生、小室一成先生に心より感謝申し上げます。また日々の臨床・研究活動を支えてくれる家族に感謝の意を示したいと思います。今回の受賞を励みに、肺高血圧症の臨床・研究により一層邁進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
本研究では、複数回の急性肺血管反応性試験を受けた肺動脈性肺高血圧症患者様において、吸入一酸化窒素(NO)への血管反応性が経時的にどのように変化するか、そして反応性の相違が予後と関連するか、の観点から検討を行いました。結果、対象集団においてNOによる血行動態改善の程度は経時的に小さくなる一方、反応性には個人差が存在することを見出しました。そして、遠隔期の反応性の程度が長期予後と関連することを報告させて頂きました。急性肺血管反応性試験はCa拮抗薬反応性の予測手段として確立されていますが、本研究が治療経過中の血管反応性再評価の意義を検討する一助となりましら幸いです。
本論文を含め日々御指導頂いております波多野将先生、牧尚孝先生、皆月隼先生、武田憲文先生、武田憲彦先生、小室一成先生に心より感謝申し上げます。また日々の臨床・研究活動を支えてくれる家族に感謝の意を示したいと思います。今回の受賞を励みに、肺高血圧症の臨床・研究により一層邁進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
優秀論文賞
A study of takotsubo syndrome over 9 years at the Tokyo Cardiovascular Care Unit Network Registry [J Cardiol 2023;82(2):93-99]
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この度は日本心臓病学会2024年優秀論文賞をいただき大変光栄に存じます。ご存知の通り、たこつぼ症候群は1990年に本邦から世界に発信した心疾患概念ですが、近年の大規模データの多くは欧米から発信されています。たこつぼ症候群は臨床所見が類似する急性心筋梗塞と緊急の鑑別を要し、その発症数は心筋梗塞に比べて少ないため、背景人口が多く、24時間体制で緊急カテーテル検査が施行可能でかつ集中治療室を有する東京CCUネットワーク施設群(73施設)のデータは、カテーテル施行率の高さ(85%)からの正診率と集約的治療が可能な点で本邦の急性期病院におけるデータとして有用と考えました。本論文では9年間1626症例を疫学集計し、最後に入院予後予測因子を示し、Online dataを複数掲載しました。日常診療や臨床研究のお役に立てれば著者の一人としてこの上ない喜びであります。
最後に、今なお完全には未解明なたこつぼ症候群の機序をぜひ本邦より発信して発症予測・発症予防・予後改善につながることを期待し願いつつ、これまでご協力いただいたすべての東京CCUネットワークの皆様、このたび高くご評価いただきました日本心臓病学会にこの場を借りて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後に、今なお完全には未解明なたこつぼ症候群の機序をぜひ本邦より発信して発症予測・発症予防・予後改善につながることを期待し願いつつ、これまでご協力いただいたすべての東京CCUネットワークの皆様、このたび高くご評価いただきました日本心臓病学会にこの場を借りて深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
Impact of tolvaptan add-on treatment on patients with heart failure requiring long-term congestion management: A retrospective cohort study using a medical claim database in Japan [J Cardiol 2023;82(1):35-42]
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この度は誠にありがとうございます.この論文は長く懸案でありますトルバプタンの長期予後に与える影響をDPCデータを用いて院内死亡が減少するという点で確認できたというものです.従来,トルバプタン使用群は実臨床においては背景が重症に傾くことから単純に既存利尿薬使用群と比較しても予後が悪いというデータしか出ませんでしたが,様々な工夫を取り入れることで背景を揃えることに成功し,その結果として死亡が減少するということを見出すことができました.発売以来10年以上かかってやっと示すことができた意味で感慨深いものであります.
Case Report Award 最優秀賞
A case of giant cell myocarditis mimicking cardiac sarcoidosis successfully maintained by prednisolone and tacrolimus [J Cardiol Cases 2023;27(6):258-261]
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この度は日本心臓病学会2024年Case Report Award最優秀賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。巨細胞性心筋炎は急性経過をたどることが多い一方で、しばしば他の自己免疫疾患と特徴を共有し、慢性的な経過をたどる症例も報告されます。本症例は心サルコイドーシスと多くの特徴を共有しており、いずれも免疫抑制治療がなされる疾患ですが、その重症度や予後は大きく異なります。治療方針に苦慮しましたが、多くの先生方よりご意見をいただき、長期的に再燃なく維持できていると感じています。ご指導いただきました猪又孝元先生、柏村健先生をはじめ、治療に関わっていただいたスタッフの皆様にこの場を借りて深く感謝申し上げます。今回の受賞を励みにして今後も精進して参ります。
Case Report Award 優秀賞
Acute hypoxemia caused by Impella in a patient with fulminant myocarditis and patent foramen ovale [J Cardiol Cases 2023;27(1):36-40]
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この度は日本心臓病学会2024年Case Report Award「優秀賞」という大変栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。
劇症型心筋症は致死的な疾患ですが、Impellaの登場により予後改善が期待されます。一方でImpellaによる合併症はまだ十分に理解されておらず、今回、PFOを伴う劇症型心筋炎に対してImpellaを使用したところ、PFOを介した右左シャントのため、重度低酸素血症を発症した症例を報告しました。VA ECMOを併用することで急性期を乗り切ることができましたが、低酸素血症が出現した時は、何がおきているか分かりませんでした。LVAD植込み症例では同様の現象が知られており、心内シャント疾患を有する場合は植込み時のシャント閉鎖が推奨されています。このような合併症を予め知っておいて準備しておくことが機械的補助循環装置を使用するうえで重要であり、より有効に治療に生かすことができると考えています。この度は誠にありがとうございました。
Young Investigator Award 最優秀賞
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Neutrophil extracellular traps in myocardial tissue drive cardiac dysfunction and adverse outcomes in heart failure patients with dilated cardiomyopathy
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Young Investigator Award 優秀賞
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Role of Nephrocysin-4 in Cardiorenal Syndrome: The Yamagata Cohort Study and Mice Cardiorenal Syndrome Model
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TAOK1 suppression improves doxorubicin-induced cardiomyopathy by preventing cardiomyocyte death and dysfunction
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Myocardial DNA damage is responsible for the relationship between genotype and treatment response in patients with dilated cardiomyopathy
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Prognostic Significance of Reticulocyte Production Ability in Patients with Chronic Heart Failure
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Novel Role of Human Epicardial Adipocyte-derived SPARCL1 in Postoperative Atrial Fibrillation Following Cardiovascular Surgery
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